記事一覧

日本初のソーシャルレンディング「マネオ」

マネオ株式会社は二〇〇八年一〇月一五日にサービスを開始してから、九ヵ月かかって二〇〇九年七月に成立ローン総額が一億円を突破。今回は二〇一一年五月三一日に五億円を突破してから、わずか二週間で六億円を突破することができました。不動産担保付きローンがレンダー(貸し手)のみなさまからご支持を得たことが大きな要因です。また、この機に、レンダー成約時手数料を全廃いたします。従来は「投資成立金額×一・五%」を成約時手数料としていただいておりましたが、これを全廃することで、投資可能金額を引き上げ、また、投資利回りを向上させることが可能となります。彼らのホームページ(二〇一一年六月二八日現在)では「借り手には一〇万円から二百万円、期間は六ヵ月から三年、金利は年八・八%で保証なし」で借りられるとしています。

同じく貸し手(投資家)には、「一万円から投資できる」とし、貸し手を探している特定プロジェクトや会社、個人がリストアップされています。AQUSHと異なる点は、投資家にとって、貸す相手を選ぶ自由度が高いということだといえましょう。さて、マネオの社員はわずか七名と発表されていますが、二〇〇七年四月の設立以来、三億五千万円弱の資本を積み上げ、彼ら日く「日本最初の」ソーシャルレンディングNPOとして活動しています。二〇一一年度中に融資残高を三百億円にするのは難しそうですが、その一つの理由に(AQUSHと違って)、NPOとして事業を行っていることが挙げられます。もちろん、NPOでは事業の急成長は無理というつもりはありませんが、二〇一一年も半ば以上過ぎている現在では、よほどの僥倖がない限り、二年前の目標が実現するのは難しそうです。

さて、AQUSHもマネオも貸金業登録を行っています。つまり、日本的金融風土の中では、サラ金と同じ土俵に立っているということになります。別に貸金業者を侮蔑している訳ではありません。後述する「準銀行」などが制度化されない限り、これは仕方のないことなのです。カネを貸す主体は、銀行法などで規制される「銀行」と貸金業法で縛られる「貸金業者」の二つしかないからです。信金や信組は準拠する法律は違いますが、基本的に銀行であり、カード会社などは貸金業者です。ろうきんや金融公庫などは特殊金融機関ですが、銀行に準じて規制されますので、「銀行」と考えてよいと思います。個人が知人に資金を用立てるといった、銀行法や貸金業法が想定している「業として金融を行う者」でない貸出は別として、組織的に金融(カネ貸し)を行うには日本では銀行か貸金業者にならなければならないのです。営利か非営利かは関係がありません。

さて、この二つの形態以外に非公式な「講」という融通の仕組みが日本にはあります。前にも述べた頼母子講や無尽と呼ばれる庶民の相互金融のことです。講は互いに少ない資金を出し合って、それを順番で使うことが基本ルールです。そこには高額の利子もなければ、債権回収のための執拗な催促もありません。秩序立った公平な仕組みがあるだけです。講の利用者で義理(毎回の拠出金、自分の番で使った場合の皆へのお礼など)を果たせないものは、コミュニティから夜逃げという形で自動的に排除されます。といっても毎月の講への拠出額はごくわずかです。仮に数人が夜逃げをすることになっても残った参加者の数が充分であれば、講は存続します。もちろん、飢饉や災害があれば、講は活動を停止しますが。この講から発展した金融機関が信用金庫や信用組合ですが、新たに資金を必要とする部外者にとっては大変敷居の高い銀行になっている現状を考えると、「二十一世紀型の講」を作ることは有意義なことのように思われます。