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消費者金融の代替金融機関

総量規制という問題、それに伴ってサラ金やカード会社から借りることができなくなった人たちが駆け込んだといわれる街金については別に一冊の本が書けるほど奥が深いのですが、よく知られているサラ金(アコム、プロミスなど)に新たな形態を加えて、庶民金融の幅を広げようという動きが出てきました。結論からいうと私はこれに賛成することはできません。総量規制(年収の三分の一までしかサラ金やクレジットカード会社などの消費者金融会社から借りることができない)対策として、新たな金融会社を作ってもそこが「高利」でカネを貸すのでは意味がないからです。業界消滅の危機に立たされている消費者金融市場を巡って、ある構想が浮上している。

貸し出す際の上限金利や総量規制を緩和し、融資をしやすくする新金融機関の創設だ。「健全な借り手」の救済を目的にひねり出した奇手だが、乗り越えるべき課題は多い。「準銀行」。耳慣れない言葉の正体は、消費者金融に代わる、融資専門の金融機関を指す。特徴は次のようなものだ。融資の貸出上限金利は二九・二%とする。融資に際し、貸出総額を年収の三分の一に制限する「総量規制」は適用しない。融資資金は市場から調達する。いずれも改正貸金業法で強化された消費者金融の規制が緩和されている。その一方で、新たな金融機関は免許制となり、一定期間ごとに金融庁の検査を受ける。いわば、銀行と消費者金融のちょうど中間の業態に当たる。

つまり「準銀行」だ。(中略)改正(貸金業)法は、多重債務者の救済につながっているとの評価がある反面、消費者金融が融資を厳格化した結果、零細企業がつなぎ資金を借りられなかったり、生活資金に困る個人の資金需要を直撃しているという負の面も指摘されている。ヤミ金業者の増加を招いているとの報告もある。(中略)金融庁は、縮小した消費者金融市場(二〇〇五年三月末の一万八〇〇〇社から、二〇一一年四月末には二五六〇社に)の穴を銀行などが受け皿となって埋めることを想定していたが、現実にはそれとは程遠い状況だ。

なぜ、あえて新しい金融機関を設立する案が浮上してくるのか。「立法上の手続きが非常に面倒」とある関係者は、改正貸金業法を見直す難しさを指摘する。(中略)一つは、準銀行は誰が担うのかという点だ。消費者金融の一部を想定している関係者もいるが、業者の数は減る一方だ。大手さえも、二〇〇九年にアイフルが事業再生手続きを申請したのに続き、武富士が二〇一〇年九月に会社更生法の適用を申請した(却下)。メガバンク傘下のアコム、プロミスも二〇一一年三月期は(それぞれ純損失が二千二十六億円、九百六十億円と)大幅な赤字を計上。余裕のある業者はどこにもいない。